
2019年10月から幼児教育・保育料の無償化がスタートします。
そして2020年からは大学などの高等教育も無償化される法案(大学無償化法)が可決されましたね。
2019年10月からついに消費税が8%から10%に引き上げられる中、家計負担の軽減措置は嬉しいものです。
しかしこれらは一部の世帯が対象であり、全国の世帯が免除になるわけではありません。
よってまだまだ将来かかる教育費への備えは必要です。
そこで思いつくのが学資保険での貯蓄ではないでしょうか?
学資保険は昔からある保険商品の1種なので聞き覚えのある方も多いはず。
ただ学資保険と一口に言っても各保険会社が売り出しているのでどれがいいか迷ってしまいますよね。
今回は住友生命が発売している学資保険「こどもすくすく保険」をご紹介します。
こどもすくすく保険の仕組をはじめ、5つの魅力的な特徴と2つの留意点を明示しました。
また、保険内容の変更手続き方法や解約、税金関係といった、保険加入後に考えられる疑問点についても解説していますのでご参考になさってください。
『こどもすくすく保険の評判が気になる』
『返戻率はどのくらい?』
『他の学資保険よりもメリットになることが知りたい』
といった疑問を解決し、学資保険選びの一助となれれば幸いです。
もくじ
こどもすくすく保険の評判
こどもすくすく保険の仕組みを知る前に、実際にこどものすくすく保険に加入した先輩パパ・ママの口コミを見てみましょう!
加入者からは以下のような評価がされているようです。
全体的に高評価な意見が目立ち、パパ・ママから人気のある商品だということがわかりました。
特に医療保障が保険に付加できる点が魅力的に感じられているようですね。
一方で仕組みについてやや不満がある面も。
これらを踏まえて、こどもすくすく保険を掘り下げていってみましょう。
学資祝金を3~4回受け取れる!こどもすくすく保険の仕組み
こどもすくすく保険は子供の教育費準備を目的とした学資保険です。
その教育費準備とは主に、教育費の中で最も費用のかかる大学費用のこと。
しかし子供の教育費って大学までもたくさんかかりますよね。
そこでこどもすくすく保険では、大学費を貯蓄する傍らで、中学校・高校入学の節目に「学資祝金」というお祝い金が用意されています。
いつのタイミングの入学準備金もお金はかかもの。
大学進学時以外でもこうしてお金が受け取れるのは家計負担軽減につながりますね。
また死亡給付金とは、被保険者である子供が万が一亡くなってしまったときに受け取れる保険金です。
死亡給付金は既払込保険料総額から学資祝金相当額がを差し引いた分になるので、学資金が支払われると死亡給付金は減り上図のようにギザギザなグラフになります。
学資祝金受取時期
祝い金の受取時期は保険期間によって異なります。
保険期間は18歳満期と22歳満期の2択のみ。
上の例のように保険期間を18歳満期とするならば、12歳と15歳に学資祝金を、18歳に満期祝金を受け取ります。
一方22歳満期にすれば12歳・15歳・18歳の計3回学資祝金を受け取り、22歳で満期祝金を受け取ることができます。
保険期間の決定は、保障が続く長さというのはもちろん、いつどれくらい祝い金を受け取りたいかを基準に考えてもよいですね。
学資祝金の金額
学資祝金は基本保険金額と住友生命所定の割合を用いて計算されます。
基本保険金額とは、こどもすくすく保険の学資祝金や満期祝金の計算の基準となる金額。
これにより祝金の総額が明らかになり、ひいては払い込む保険料を決定することにもつながります。
そして基本保険金額に下記割合を乗じた金額が、1回に支払われる学資祝金と満期祝金です。
例えば基本保険金額を200万円、保険期間を22歳満期で設定した場合、12歳と15歳で20万円ずつ、18歳で60万円の学資祝金を受け取ります。
22歳では基本保険金額×100%の満期祝金が受け取れるで、200万円。
総額受取金は300万円となります。
ただし上の表のように、支払われる金額が割合によって都度決まっているので、個人で自由に受取額を都度設定することはできません。
また学資祝金は契約者が請求をするまで、利息をつけて自動的に据置き、積み立てられていきます。
祝い金の受取時期は年齢に注意!
上図のように、祝い金の受取時期は子供の年齢によって決まっています。
これだけ見ると子供の進学前にお金を受け取れそうな気がしますよね?
しかし子供の誕生日と保険契約月によっては進学後に祝い金を受け取ることになってしまう可能性が。
お祝い金を受け取れる時期は、子供が誕生日を迎え支払年齢になった後に迎える契約応当日です。
例えば子供が1月生まれでこどもすくすく保険を契約した月が4月だとすると、学資祝金等を受け取れるのは子供が学校へ入学する後となってしまい、入学準備金の活用としては間に合いません。
払込期間の設定もありますし、子供の年齢・誕生月に対し具多的にいつまでに保険に加入した方がよいかは担当コンサルタントにしっかり相談しましょう。
以下は子供の年齢月と保険契約月による学資祝金(18歳時)の受け取りタイミングの早見表ですので、併せてご参考になさってください。
契約できる年齢
学資保険多くは、契約に契約者の年齢と被保険者となる子供の年齢制限があります。
こどもすくすく保険にも年齢制限があり、この商品の年齢制限は以下の通り。
女性の方が男性より6歳も長いようですね。
これだけの年齢範囲があれば、パパ・ママはもちろん、おじいちゃん・おばあちゃんも孫のために加入ができそうです。
ただし被保険者の年齢と契約者の年齢の組み合わせによっては、保険料払込期間と学資祝金払込開始時期を考慮しプランが取り扱えない可能性もあります。
こどもすくすく保険の特徴5つ
保険の仕組みの次は、こどもすくすく保険の特徴についてです。
こどもすくすく保険の特徴は5つあります。
パパ・ママに万が一があったら保険料の払込は免除
学資保険商品ではよくある特徴の1つですが、もし契約者が保険料払込期間中に以下のどれかになってしまったときは、以降の保険料の支払いが免除になります。
- 亡くなってしまったとき
- 保険契約以後に傷害や疾病を発生し、高度障害状態になってしまったとき
- 保険契約以後に不慮の事故に遭い、その事故から180日以内に、事故による傷害を直接の原因として障害状態になってしまったとき
もちろん保障は継続されるので、時期が来たら学資祝金や満期祝金を受け取ることができます。
骨折、けが、入院は該当する?
上で述べている高度障害状態や障害状態とは、例えば視力や聴力、手足を失ってしまい運動機能等に障害があることなどが挙げられます。
そして症状は様々であるものの、総称して回復の見込みがない状態が該当するよう。
たとえ入院するほどの大病でも、のちに回復する怪我や骨折ならば保険料払込免除の対象外です。
こども出生前加入特則がある
『学資保険の加入は子供が産まれてからじゃないとできない』と思っていませんか?

実は、こども出生前加入特則を利用すれば、被保険者である子供の出生予定日が140日以内でもこどもすくすく保険を契約できます!
つまり妊娠中のプレママさんも契約ができるということ。
先に言ってしまうと、保険料は死亡率が考慮され、年齢がより低い方が、男性よりも女性の方が安くなることが多いのです。
つまりこども出生前加入特則を利用することで教育資金の準備が早くからできるだけでなく、保険料を抑えることもできます。
また、子供が産まれてからはパパもママも慣れない子育てにてんやわんや。
とても保険のことをゆっくり考えらる余裕はないでしょう。
これから出産を控えているプレパパ・プレママでしたら、子供が産まれる前のゆったりした今の時間に検討・加入することをお勧めします。
ちなみにこの出生前加入はこどもすくすく保険だけではなく、他の学資保険商品でもできることが多いので、学資保険全体の特徴ともいえますね。
お祝い金の受取年齢が変わるかも?
出生前加入特則を利用しすると、子供の年齢は契約日に0歳で加入したものとして計算されます。
そのため、お祝い金の支払いの年齢が実際の年齢と異なる場合が。
早い分には越したことはありませんが、遅れてしまうと入学準備金にあてられなくなってしまう可能性がありますので注意が必要です。
もし子供が流産・死産になってしまったら…?
学資保険は子供ありきで成り立つ保険です。
悲しい話ですが、もし赤ちゃんが育たず流産・死産になってしまったら契約は消滅します。
すでにこども出生前加入特則でこどもすくすく保険に加入していた場合は、すでに支払っていた保険料が払い戻されます。
指定承継人の指定を
こどもすくすく保険を契約する際は、契約の時に指定継承人を指定する必要があります。
これは契約者が万が一死亡してしまったとき、権利義務を継承し、学資祝金や満期祝金を受け取る人のこと。
ただしこの特則を適用する場合、被保険者である子供を指定継承人にすることができませんので、子供を扶養している父母か3親等以内の親族から一人選んで指定しましょう。
付加できる特約が多い
こどもすくすく保険最大の特徴といえば、ズバリ付加できる特約が多いこと!
口コミでも評判に上がっていましたね。
こどもすくすく保険で付加できる特約は次の3つです。
こども総合医療特約
人生のうち怪我や病気に一度もかかったことがないという人はきっといないでしょう。
どんなに注意していても起こりうるリスクですし、小さい子ほど病気や怪我はつきものです。
こども総合医療特約は、子供が病気やけがをして入院したり、手術・放射線治療を受けたときに保障をしてくれる特約です。
この特約が非常に優れモノ。
状況によって次のような給付金が支払われます。
- 災害入院給付金・・・不慮の事故によって傷害を負い、1日以上入院した時
- 疾病入院給付金・・・疾病によって1日以上入院した時
- 手術給付金・・・公的医療保険制度の対象となっている手術を受けたとき
- 放射線治療給付金・・・公的医療保険制度の対象となっている放射線治療を受けたとき
公的医療保険制度の対象とは、医科診療報酬点数表に記載があるものということ。
ただし創傷処理や皮膚切開術など一部の手術は除かれます。
骨折でも切開等を行わない治療の場合は対象外となるケースもあるので、詳しくはスミセイコールセンターで相談してください。
さらにこども総合医療保障は、骨髄移植ドナーとなる場合の入院・手術も保障してくれます。
こども入院保障充実特約
最近では子供の医療保障の助成をしている地区町村も増えてきていて、子供の医療費の負担が軽減してきましたね。
しかしこの保障もまだ全国展開とはいかず、助成がある地域でも入院の保障は手薄だったりします。
『こども総合医療特約のように、たくさんの保障は要らないけれど、入院したときの保障が欲しい』という方にはこども入院保障充実特約がよいでしょう。
その名の通り、病気や怪我による入院を保障してくれる特約。
1日入院から保障されるので、軽症のものはもちろん、特に重い病気やケガをして入院が長引く事態になってしまったときも備えておけ安心ですね。
指定代理請求特約
祝金等の支払い請求は、原則契約者が行うことなっています。
しかし契約者が怪我や病気を患い、請求する意思表示ができなくなってしまったらどうしましょう?!
指定代理請求特約では、指定代理請求人をあらかじめ立てておくことで、もし契約者が学資祝金等の請求ができない状態になったときでも、指定代理請求人によって代理請求ができる特約です。
ただしこの場合、お金の受取人は契約者本人となります。
なお指定代理請求特約の付加は無料なので、付加しても保険料が変わることはありません。
生存給付金はある?
住友生命の保険の中には、生存給付金付きの保険商品があります。
これは、契約者が所定の期間まで健康で生存していた場合にお金が受け取れるという、いわば健康に対するご褒美金付きの保険ということですね。
あったら嬉しい特権ですが、残念ながらこどもすくすく保険には生存給付金は付いていません。
払込方法や払込期間で自由に設定できる保険料
実際に保険料はいくらくらいでしょうか?返戻率は?
返戻率とは、支払った保険料総額に対して、祝い金や満期学資金といった受取総額がどのくらいになる(増減する)か?を割合で表したもの。
例えば全部で10万円お金を支払ったのに対し15万円受け取った場合は、返戻率は150%となります。
返戻率は次の計算式から求めることができますのでぜひ覚えておいて下さい。
それではこどもすくすく保険における保険料と返戻率はどのくらいになるか、契約例を設定しシミュレーションしてみましょう。
<契約例>
- 契約者:30歳・男性
- 被契約者:0歳・男の子
- 基本保険金額:200万円(受取総額:300万円)
- 保険期間:被験者が22歳まで
- 保険料払込期間:被験者が15歳まで
- 払込方法:月払・口座振替
この条件で保険料を試算すると月々の保険料は16,346円です。
保険料総額は、16,346円×12カ月×15年=2,942,280円となりました。
この場合の返戻率はというと、受取総額が300万円なので、
3,000,000円/2,942,280円×100=101.9%(小数第2位以下切り捨て)。
つまり学資保険で貯蓄したことにより、元手よりも1.9%多くお金を受け取れた(得した)ことになります。
払込期間について
保険料の払込期間は保険期間によって選択肢が異なります。
保険期間と保険料払込期間の組み合わせでトータル5タイプから選択することができますね。
保険料払込期間は契約時の子供の年齢+契約払込期間数。
例えば子供が1歳のとき保険期間が22歳、保険料払込期間を18歳に設定した場合、保険料は子供が19歳で払込完了します。
その際保険料の払込が完了するまで祝い金が受け取れないということはなく、途中祝い金を受け取りながら、並行して設定した期間まで保険料を払込みを続けていくということになります。
なお先述しているように保険期間によって学資祝金をもらえる回数が異なりますので、まずは保険期間をいつまでにするかを先に決めたほうが良いでしょう。
また保険料払込期間は、契約者や被保険者の年齢の組み合わせによって希望する保険料払込期間を選択できない可能性もありますので、担当のコンサルタントとプランを考える際に確認してください。
払込方法について
保険料の払込方法は回数と経路に分かれています。
まず保険料の払込回数は次の4つから選択できます。
- 月払い
- 年2回払い
- 年1回払い
- 一括払い
もし年1回払いする場合、前納といって、年1回払いの保険料を2年分以上まとめて払い込む方法もとることができます。
次に保険料経路ですが、これは基本的に口座振替扱いのみ。
ただし、所定の条件を満たす場合は、振替用紙による送金扱いや、クレジットカードでの払込を取り扱いするケースもあるようです。
最近は日本も徐々にカード社会になってきていて、皆さんの中にも普段からカード利用が多い人も少なくないでしょう。
クレジットカード扱いならばポイントも貯まりますし、カード利用が多い人にとってはクレジットカード扱いの方がありがたいですね。
保険料の引き落とし日は?
口座振替扱いの場合、住友生命の保険料の引き落とし日は毎月27日です。
27日が金融機関の休業日にあたった場合は、翌営業日にずれます。
しかしもし引き落とし日に口座の預金残高が足りなかったときはどうしたらいいでしょうか?
住友生命の公式ホームページにこのような回答がありました。
〇月払契約の場合
当月分が残高不足で振替できなかった場合は、翌月に2カ月分の保険料を口座から振替いたします。翌月の振替日(27日)の前営業日までに2か月分の保険料をご準備ください。〇年払・半年払契約の場合
お払込期月に残高不足で振替できなかった場合は、翌月に保険料を口座から振替いたします。翌月の振替日(27日)の前営業日までに振替予定金額をご準備ください。引用元:住友生命 よくあるご質問
保険料の引き落とし日に残高不足で引き落としができなかったとしても、すぐに保険契約が失効することはないようですね。
しかし次回の保険料支払いの負担が大きくならいないためにも、余裕をもって準備をしておきましょう。
5年ごとに配当金が受け取れるかも!?
こどもすくすく保険には配当金がついています。
配当金とは、保険会社の資産の運用成果によって剰余金が生じたときに、契約者に分配されるお金のこと。
契約後5年ごとの資産運用結果に応じて、契約後6年目から5年おきに支払われれます。
配当金は請求するまで積立ておけるので、必要な時に請求してもよいでしょうし、学資祝金を受け取るタイミングで受け取れれば通常の学資年金より少し上乗せできでしょう。
ただ配当金あくまで保険会社の資金運用が良かったときに発生するものですし、利率は金利水準等の状況変化で変動します。
配当金があってもごくわずかだったりゼロという可能性もありますので、配当金が出ればラッキーくらいに思っていたほうが気が楽です。
こどもすくすく保険における2つの留意点
上記のように、こどもすくすく保険にはメリットともいえる特徴がたくさんあり、魅力的な保険です。
しかし一方で留意したい点も。
それは以下の2点が挙げられます。
返戻率が低い
こどもすくすく保険は、正直なところ現在あまり返戻率が高くありません。
口コミでもここがネックという人も少なくありませんでした。
しかし実はこれはこどもすくすく保険だけではなく学資保険全体に言えることです。
以前の学資保険は返戻率がとてもよかったものの、近年のマイナス金利の影響で返戻率がガクッと下がってしまいました。
学資保険商品の中にはそれでも高水準の返戻率をキープしているものもありますが、こどもすくすく保険は100~105%程度と低空飛行。
つまり払い込んだ保険料総額に対し受け取るお金は大して増えないことを意味します。
貯蓄とともに保障は備えられることを考えると完全なデメリットとは言い切れませんが、貯蓄性を重視している場合はあまり期待できないでしょう。
そのうえ特約を付けると100%を下回る=元本割れを起こす危険性が。
上で紹介したこども総合医療特約とこども入院保障充実特約は有料で、保障内容を充実させるほど基本保険料に上乗せします。
保障を備えながら貯蓄ができるのが学資保険のメリットですが、保障だけが手厚くて肝心な貯蓄ができなかったら元も子もありませんよね。
いろいろと便利な特約ですが、あまりつけすぎると負担になってしまいますので、特約は本当に必要と考えるものだけに絞りましょう。
返戻率を上げるには?
低金利時代の中とはいえ、わずかでも返戻率を上げたいと思いますよね?
同じ保険商品でもプランの立て方によっては返戻率も随分変えられる可能性があります。
その方法は次の3つです。
方法1.払込方法(回数)を少なくする
返戻率は1回の保険料金が大きいほどよくなります。
保険会社は契約者が払い込む保険料の一部をつかって会社運用をしています。
ということは、保険料金がまとまって入ってくれば保険会社はそれだけ大きなお金を動かして資金運用できますよね。
そのため契約者にもメリットがあるよう、保険料をまとめて納金した場合は、所定の割引率で通常よりも保険料を割り引いてくれます。
よって、月払い<年2回払い<年1回の順で返戻率がアップすることに♪
さらに前納・一括払いをするとより返戻率を上げることができます。
今の時点で多少資金に余裕があるようでしたら、できる限りまとめて保険料を支払ってしまった方が、小さなお金で大きく増やせることになります。
方法2.保険料払込期間を短くする
方法1の払込回数を少なくする方法と原理は同じです。
保険料払込期間を短くすると1回に払い込む保険料の金額が大きくなるだけでなく、学資祝金を払うまでの期間が長くなるので、その分保険会社は大きな資金で長期間資金運用することがかないます。
会社側もそうしたメリットを得られることから、保険料の払込期間が短い契約者には保険料総額の割引というメリットを設けてくれています。
上記の例でみると、払込期間を3年短くするだけで保険料総額が約3.6万円も割引に。
その分月々の保険料負担は増えますが、支払許容範囲であれば払込期間を短くした方が返戻率を上げられ最終的にメリットになります。
方法3.ママが保険契約する
先述したように、学資保険含む生命保険は、平均寿命から考えて女性の方が男性よりも保険料が安いです。
こどもすくすく保険でも男性と女性では同じ年齢でも若干金額が異なります。
上の表からも契約者が女性の方が安いことがわかりますね。
月々の保険料だと僅かな差に見えますが、総額で比べると数千円に差が開きます。
そして返戻率もアップ!
『もし働けなくなったら?』『もし病気やケガになってしまったら?』など、もしものリスクを考えると、養い手である人の方が必然的に保険に加入する数は増えます。
もし一家の主が男性である家庭であれば、男性はすでに別の保険等で保障が手厚くなっている可能性が高いので、学資保険は女性が加入してもよいでしょう。
ただし女性の方が年齢が高いケースや、女性の収入が中心の家庭では男性が契約した方がメリットになる場合もありますので臨機応変に検討してみてください。
学資祝金は前もっての一括受け取りはできない
学資祝金は契約者が請求をするまで自動的に積み立てられていくとお話ししました。
そのため満期まで据え置かれた学資祝金は一括または年金で受け取ることが可能です。
しかし12歳や15歳の学資祝金受取の際に18歳での学資祝金や満期祝金等を受け取ることはできません。
そもそも学資祝金の受け取りには、学資祝金を受け取る年齢まで子供が生存していることが前提条件。
つまり未来に受け取る予定の学資祝金を前もって受け取ることはできないのです。
また各学資祝金を求めるための基本保険金額に乗ずる割合は決まってしまっているので、他のタイミングで受け取る学資祝金の割合と帳尻合わせなどはできず、出費が思っていたより多くなってしまっても決まった金額以上を受け取れません。
こどもすくすく保険にはこうした融通の利かなさがあることを留意しておきましょう。
こどもすくすく保険には貸付制度がある
子供の出費には入学準備以外でもお金がかかるタイミングが多々あります。
もし一時的にまとまったお金が入用の時、こどもすくすく保険に加入していると契約の解約返戻金の一定範囲内で必要資金を借り入れさせてくれます。
多少利息はつくものの、契約者貸付があるのは本当にお金が必要な時に便利ですね。
ただし借り入れはあくまで一時的な利用であり、常用すると後々お金が返せなくなってしまいます。
借り入れた合計金額が解約返戻金を超えたことを保険会社から通知された後も一切返済がなかったときは、保険契約が失効されてしまうので気をつけましょう。
解約は契約者にとってリスクが大きい
こどもすくすく保険を契約したものの、やむを得ず中途解約を考えることもあるかもしれません。
解約はいつのタイミングでも可能ですが、ちょっと待ってください!
保険料払込中の中途解約は契約者にとってとても不利益な手段なのです!
解約返戻金はほとんど返ってこない
保険を解約するとそれまで貯めていたお金から解約返戻金を受け取ることができます。
それでは解約返戻金がいくらくらい戻ってくるのでしょうか?
実は解約返戻金は多くの場合、払込保険料の合計額よりも少なくなります。
上で少し触れたように、我々が納金する保険料は保険会社の事業運営の経費や死亡給付金等の支払いに充てられています。
そのため保険料すべてが預貯金のように積み立てられているわけではありません。
解約返戻金は保険料から経費等を差し引いた分なので、払い込んだ保険料の合計よりも少なくなってしまうのです。
特に契約後のしばらくは保険料の大部分がこうした経費や死亡給付金等の支払いに充当されるため、保険を契約してから解約までの期間が短いと解約返戻金はほとんど戻ってきません。
ひょっとするとゼロという可能性もあり大損です。
このように解約には契約者にとってかなりリスクを生じるものですので慎重に検討しましょう。
もし『今解約したとき解約返戻金がいくらか?』が気になるときは、住友生命に問い合わせをすれば教えてくれます。
また解約返戻金は、解約に必要な書類が三井生命に届いてから1週間程度で指定の口座に送金されます。
保険料の払込が難しくなったら3つの手段も検討を
解約の理由の大半は保険料の負担です。
しかし上記のように、途中でやめてしまうのは本当にもったいない。
保険契約を継続させつつ保険料の負担を減らしたいときは以下の3つの方法も考えてみましょう。
保険料の立替え制度
保険料の払込には猶予期間があります。
本来ならば猶予期間内に保険料の払込がないと保険契約が失効になってしまいます。
しかし解約返戻金が保険料の相当額以上あるときは、すぐに保険契約が失効しないよう自動的に保険料の立替えをしてくれます。
これが保険料の立替え制度です。
立替え制度は反対の申し出がない限り自動的適用に。
必要がない場合はスミセイコールセンターに連絡すれば設定を変えられますが、制度をつけていても何も不利益になることはありませんのでわざわざ外す必要はないでしょう。
ただし保険料の立替え制度は一時的に立て替えてくれるもので、負担そのものが減るわけではありません。
立替分はいずれ返済しないとなりませんし、立替金には利息が発生するので気を付けてください。
スイング制度
あなたは現在住友生命の保険に加入していますか?
それがもしライブワンかQパックであればスイング制度が適用できます。
これはこどもすくすく保険で生じた未払い込みの保険料を、契約しているライブワンかQパックの積立金を利用して払い込んだものとして取り扱ってくれる制度。
こどもすくすく保険とライブワンもしくはQパック双方に契約間資金充当特約が付加されていることが条件ですが、保険料立え替制度同様に予め反対の申し出をしない限り自動的に適用してくれるので便利です。
保障も学資祝金も変わることなく保険契約が継続できるので安心です。
もし学資保険以外でも個人の生命保険等を検討しているようならば、万が一に備えてライブワンかQパックを検討してみるのもよいかもしませんね。
基本保険金額等の減額
保険契約を継続させる方法として結構な利点とリスクを伴うのが「減額」です。
これはそのままの意味で、毎度払い込む保険料を減額させる方法です。
物理的に保険料の負担が軽減されるのでメリットが大きいように思えますが、保険料を軽減さえる条件は基本的保険金額、給付金額等の減額。
つまり将来受け取る予定の学資祝金額が減ってしまうことになるのです。
保険料の払込が負担だからとあまり減額をしてしまうと、基本保険金額が少ない場合は学資祝金がほとんど受け取れなくなってしまいます。
これでは減額してまで学資保険を続ける意味がなくなってしまいますので、減額を希望する場合は金額に十分気をつけましょう。
解約する方法
『いろいろ検討してみたがやはり中途解約したい』とリスクを承知の上で解約する際は、契約者本人が保険の担当者もしくはスミセイコールセンターに申し出をします。
そして案内された必要書類を提出すれば解約ができます。
また解約の手続きがスムーズに行われると、手続き完了後1~2週間程度で解約の支払明細書が家に届きます。
つまり解約手続きには2~4週間ほど必要のようですね。
保険契約後の各種変更手続きは速やかに行おう!
もし保険契約後に以下のような場合で契約当時と内容が変更されることがあるようなときは、変更が分かった時点で速やかに住友生命に連絡をしましょう。
- 転居、町名・番地変更等で住所や電話番号が変わったとき
- 改姓・改名をしたとき
- 契約者や指定承継人を変更をしたいとき
- 保険料の払込方法、保険料振替口座を変更したいとき
- 海外に長期間滞在するとき
特に住所や契約者の名義の変更は大切です。
なぜなら、契約内容を新しいものに変更しておかないと住友生命からの大切な通知が届かなくなってしまう可能性があるからです。
また給付金を受け取る際の手続きもスムーズに行えなくなってしまう可能性もありますので、公共料金等の手続きとともに学資保険の手続きを忘れず行ってください。
手続きに必要なことはスミセイコールセンターへ連絡したときに詳しく案内してくれます。
その際保険証券が必要になりますので手元に用意しておきましょう。
契約者変更の注意点
こどもすくすく保険では、住友生命が承諾をすれば契約者の変更をすることができます。
しかし契約者を変更すると、保険料はこれまで通りではなく、新たに契約者となる人の年齢と性別で再計算されます。
場合によっては保険料が高くなる可能性もありますので気を付けてください。
また契約者変更には新たに契約者になる人の健康状況の診査や告知が必要です。
こどもすくすく保険に入ると税金が安くなる!?
学資保険において、保険に加入すると保障や貯蓄ができるほかにメリットとなることがあります。
それは税金が安くなるという点です。
学資保険は生命保険の1つなので生命保険料控除の対象となり、保険料の払込期間中は払込保険料に応じて所得税と住民税が安くなります。
例えば所得税において年間払込保険料が8万円をこえる場合は一律4万円の控除が、住民税では年間払込保険料が5.6万円をこえると一律2.8万円が控除。
合わせて最大6.8万円の控除を保険料払込期間中は毎年受けられることになります。
中でも住民税が安くなると、保育料が安くなるメリットにも!
保育料は収入金額から計算された住民税の所得割によって決められます。
そのため住民税を低く抑えられるほど保育料は安くなるのです。
2019年10月からの保育料無償化という制度も開始しますし、月々の保険料&保険料と、控除なし&保育料のみを比べてどっちが家計の負担がないか?は入園する場所によりますが、控除で保育料を抑えつつ、学資保険で教育資金の積み立てをする方法は効率的ではないかと筆者は考えます。
なお生命保険料控除は年末調整や確定申告が必要。
年末調整の手続きが始まる少し前あたりに住友生命から「生命保険料控除証明書」が届きます。
生命保険料控除証明書の記載の通りに申告書に記入し、申告書に添付しましょう。
万が一控除証明書を紛失してまっても、住友生命に連絡をすれば再発行してもらえます。
ちなみにもし配当金が支払われた場合は、保険料は保険料総額からその年に受け取った配当金を差し引いたものが対象となります。
学資保険に加入した際の控除についてや年末調整・確定申告について知りたい方はこちらも参考にしてみてください。
⇒学資保険は控除対象で税金が安くなる!住民税・所得税併せて最大6.8万円節税できる仕組みと3つの手続き方法
学資祝金等を受け取ったときは所得税がかかる
保険料払込期間中は所得税や住民税が控除される一方で、学資祝金や満期祝金等を受け取る際は、所得が増えることになるので所得税・住民税等が上がります。
ただし増えた分が50万円をこえなければ実質非課税となるので安心してください。
また、契約者の状況や給付金の種類、給付金の受取人によっては税金の種類も異なります。
詳しくは住友生命や税理士等に問い合わせてみましょう。
まとめ
いかがでしたか?
こどもすくすく保険をまとめると以下のようになります。
- 大学だけでなく、中学校・高校の入学資金のタイミングでも学資祝金を受け取れる
- 死亡以外の、子供のあらゆる万が一に特約という形で保障を備えられる
- 返戻率が高くない
- 特約を付けすぎると元本割れをしかねない
どんな学資保険にも、多かれ少なかれ必ず良し悪しは発生します。
教育資金を準備するための手段に学資保険を活用ことを選ぶ中で、何に重きを置くかは家庭のライフスタイルによって異なります。
学資保険の商品はこどもすくすく保険以外にもたくさんありますので、本記事もご参考にしていただきながら、ニーズにあった学資保険が見つかることを願っています。

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