
子供を授かり、『将来の教育資金をどうやって貯めていこう?』と考えたとき、思い浮かぶのが学資保険ではないでしょうか?
学資保険は昔からある保険なので、自分たちの親世代から『学資保険はいいよ』と勧められることも多いはず。
実際のところ筆者の両親も、昔学資保険に加入していたと話していました。
その中で、今回はかんぽ生命が販売している学資保険”はじめのかんぽ”について解説します。
かんぽ生命は日本郵政グループが運営している保険会社。
最近CMでもよく流れているので、”かんぽ生命”ご存知の方も多いと思います。
”はじめのかんぽ”が発売されたのは2014年なのでまだ日は浅いのですが、計画的で高い貯蓄性に優れており、人気の商品です。
またコースも3つも用意し、将来いつのときにどのくらい教育資金を準備しておきたいか?という、世帯ごとに違うニーズに応えらえるようなラインナップを揃えています。
『”はじめのかんぽ”の特徴は?』
『3つのコースってどんなのがあるんだろう?』
『貯蓄以外にもサポートしてもらえる特約などもあるのかな?』
『保険料は高い?安い?』
”はじめのかんぽ”でこのような疑問をお持ちの方は、ぜひご参考になさってみてください。
もくじ
”はじめのかんぽ”の5つの特徴
保険会社は他社との差別化をはかるため、商品に強みとなるような特徴を持たせています。
もちろん”はじめのかんぽ”も同様。
”はじめのかんぽ”には以下の5つの特徴があります。
ニーズに合わせた3つのコースがある
こどもは成長していくにつれいくつもの節目を迎えますね。
そのたびにまとまったお金が必要になるのも事実で、その金額の程度や『いつに向けて貯めておきたいか?』は家庭によってさまざま。
かんぽ生命の学資保険では、そんな各世帯のライフプランに合わせられるよう、3つのプランが用意されています。
「大学入学時」の額資金準備コース
大学費用は入学してからたくさんかかると思われがちですが、一番かかるのは大学入学”前”です。
大学へ進学するには、まず大学を受験しないとなりません。
受験料、交通費・宿泊費、塾の講習代等が必要になり、大学を複数受験するほど受験費用はかさみます。
そして大学が決まると入学金や1年目の授業料は大学入学前の納金が必須。
その上自宅外通学をする場合は大学に入るまでにアパートの契約をし、家財道具を購入して生活できる環境を整えておく必要があるでしょう。
このような入学前に必要な費用は、総額で約231.1万円とも言われています。
250万円近くも急に用意するなんて至難の技。
そんな将来の大きな出費に備えられるのが”「大学入学時」の学資金準備コース”です。
保険は一度入ると毎月口座から引き落とされるので、筆者のようなずぼらな人でも計画的に貯蓄ができます。
そして十数年経ったときには自然と目標金額に達し、安心して大学進学の準備をさせてあげられるというわけです。
『日々の出費はなんとかやりくりできそうだから、とにかく大学進学のための資金を貯めておきたいわ』という方にお勧めです。
「小・中・高+大学入学時」の学資金準備コース
教育費用の中で最も費用がかかるタイミングは大学入学時と先に触れましたが、それ以前にも節目は何度もありますね。
その節目においても、制服代や学業用品を揃えるために費用はかかります。
『大学進学のための資金準備も大切だけど、小学校~高校までの入学時にだって急に出費が増えたら心配だし、備えておきたい』
という方には、”「小・中・高+大学入学時」の学資金準備コース”がオススメ。
このコースでは、大学入学時はもちろんのこと、こどもの節目に合わせ”お祝金”という形でコンスタントに学資金を受け取ることができます。
「大学入学時+在学中」の学資金準備コース
『大学入学時にお金がうんとかかるのは分かったけれど、進学する大学によっては在学中も結構かかるんじゃない?』
確かに、大学では入学時もそうですが、在学中も授業料が高く出費が多くなりがち。
特に私立大学だと月々200万近くかかる場合もあります。
その費用に備えられるのが、”大学入学時+在学中”の学資金準備コース”です。
決まった金額を大学入学時から1年に1度、計4年間受取ることが可能です。
万一の時に保険料の払込免除
普通の生命保険では契約者が保険料を払えなくなってしまった時点で、保険の契約は修了になりますね。
しかし学資保険ではもしも契約者が亡くなる等、万が一のことが起きてしまった場合、その後の保険料の払込を免除してもらえます。
そして学資金は選んだプランに従って予定通りに受け取ることができるのです。

また、払込が免除になる場合・ならない場合は以下のような事由の時です。
自分の身の万が一があると考えるのは心苦しいですが、せっかく始めた保険をやめることなく、子供の将来のために貯蓄と保障が続くのはありがたいですね。
出生予定日の140日前から加入可能
学資金は子供の成長のタイミングに応じて支払われます。
つまり、こどもの正確な年齢がわからなくては学資金を受け取るタイミングがずれてしまいますよね。
よって学資保険は子供が生まれてから加入する場合が多いです。
しかしかんぽ生命の学資保険では”出生前加入制度”を設けており、こどもの出生予定日の140日前からでも学資保険に加入することができます。
ただし契約者は被保険者となるこどもの両親のみに限られていますので注意しましょう。
17歳満期もOK
先に触れているように、大学入学前はとてもお金がかかります。
最近では入試形態も多様化しており、推薦入試やAO入試といった日程で受験する場合は、早くも高校3年生の秋頃から受験費用や入学金等を用意しておく必要があります。
そんな場合のために、かんぽ生命の学資保険では学資金の最初の受け取りタイミングを17歳満期と18歳満期の2パターン用意。
もしも1月に保険の申請をし契約日が2月になった場合は、17歳満期では17歳の2月に、18歳満期では18歳の2月に満期保険金を受け取ることができます。
『高校3年生になったら塾や受験の日程次第でいつお金がかかるか分からないし、早めにもらっておきたいな』という方には安心のプランでしょう。
こどもの怪我や病気の医療保障も付けられる!
「こどもは風の子」とよく言いますが、まったく怪我や病気をしない人はいません。
特にこどものうちは急な体調変化はつきもの。
風邪程度のことならまだしも、もし入院や手術をするほどの重たい病気やケガをしてしまったら大変です。
しかもまとまった費用が必要になるので困ってしまいますね。
実はかんぽ生命の学資保険では、学資保険の契約と一緒に医療特約を付けることができます。
入院・手術だけでなく、放射線治療も備えてあるのは心強いですね。
このようにかんぽ生命の学資保険は、教育資金を貯めるための「貯蓄型」の機能だけでなく、こどもの怪我や病気にも備える「保障型」も兼ね備えた保険なのです。
ただし出生前はこの特約をつけることができませんので、出生前に学資保険を契約したい場合は、先に学資保険だけ契約をし、こどもの出生後に医療特約を申し込むようにしてください。
また、住んでいる自治体によっては子供の年齢が小さいうちは医療費を免除・助成を受けられる制度もあります。
特約も加入の際は自治体に確認して検討してみてください。
保険料金のシミュレーション
かんぽ生命の学資保険の5つの特徴がわかったところで、気になる保険料を探ってみましょう。
まず、保険料は設定する”基準保険金額”によって左右されます。
基準保険金額とは、給付金や祝金の金額を算出するために基準とする金額のこと。
言い換えれば、給付金や祝金をいくらもらいたいか?で基準保険金額を定めます。
この金額を高く設定するほど当然保険料は高くなります。
加えて契約者の年齢や性別、子供の年齢、払込期間によっても保険料は変わることに。
払込期間は、
- 17~18歳で払込が終了するもの
- 12歳で払込が終了するもの
の2パターンから選ぶことができます。
今回は25歳、30歳、35歳、40歳の男女が以下の条件で各プランを契約したときの保険料をシミュレーションしてみましょう。
保険料は2018年10月の保険料を参考にしています。
<払込期間:18歳で払込が終了するタイプ>
<払込期間:12歳で払込が終了するタイプ>
<払込期間:18歳で払込が終了するタイプ>
<払込期間:12歳で払込が終了するタイプ>
<払込期間:18歳で払込が終了するタイプ>
<払込期間:12歳で払込が終了するタイプ>
どのコースでも、保険料は受け取る金額よりも多く支払うようですね。
他保険会社の学資保険の中には、払込した保険料よりも増えた状態で学資金を受け取れる、利回りのよい商品も販売されています。
”はじめのかんぽ”も、発売した当初は利回りが良く、学資金の受け取りの際は保険料総額の103%以上もの金額が期待できました。
ところが最近では残念ながら100%を下回ってしまっているのが現状。
そういった点では、現在”はじめのかんぽ”を利用した貯蓄はあまりうまみを感じにくいかもしれません。
しかし”はじめのかんぽ”の強みは、運営元が”日本郵政グループ”というところ。
電子化が進み、手紙のやりとりの少なくなった近年では一見低迷しているように思われそうですが、ゆうちょ銀行や生命会社等の収益をもとに日本郵政がグループ一丸となり、互いを支え合っています。
しかも日本郵政は2015年11月に株式上場を果たすほど。
日本郵便がバックでしっかり支えてくれているからこそ、ちょっとやそっとでは倒れたりしないのですね。
保険とは、契約すると10年、20年という長いスパンでのお付き合いになります。
どんなに利回りが良くても途中で会社がつぶれてしまっては何の意味もありません。
一般の保険会社と違って倒産の心配をしにくいかんぽ生命の学資保険なら、十数年後の未来でも確実に納めた分のお金が返ってくる”確実性”があります。
長い目で見、そういった会社の”安定”と”確実性”を以って選ぶのであれば、”はじめのかんぽ”も決して悪い商品ではありません。
上記の表でもあるように、保険料は契約者・被保険者の年齢や性別以外にも、払込期間によって保険料総額が格段に変わります。
例えば30歳男性の契約者が子供が0歳の時に”「大学入学時」の学資金準備コース”を契約する場合、基準保険金額が300万円だとすると、払込期間を12年にするだけで約7万円も安くすることができます。
ただしその分月々の保険料は高くなりますので、家計が負担にならないような料金設定を心がけましょう。
また、表でもわかるように、男性よりも女性の方が保険料が安いです。
日本人の平均寿命や死亡率をみたとき女性の方が長生きで死亡率が低いことから、保険会社側の保険運営手数料が少なくて済むため女性の方が保険料が安くなるようです。
もしも夫婦でご主人は複数の生命保険に加入しているようなら、奥さんが学資保険に加入してもよいかもしれません。
そして上の表はほんの一例です。
設定条件で保険料も随分変わりますので、ぜひ以下の公式ホームページでご自身の希望に近い形をシミュレーションしてみてください。
加入可能な年齢範囲は?
上記の3つのプランは、誰でも加入できるわけではありません。
実はプランごとに加入できる契約者と被保険者である子供の年齢範囲が定まっています。
各プランの年齢範囲は以下の通りです。
「小・中・高+大学入学時」の学資金準備コースは、他のプランよりも学資金を受け取るタイミングが早いため契約可能な子供の年齢も短くなっていますのでお気をつけ下さい。
他の2プランは12歳(小学校6年生)まで契約できるということで、これは他社の学資保険と比べても長めのようです。
払込方法
保険料の払い込みは、口座振替、窓口払込、団体払込の3パターンから選ぶことができます。
もし3ヶ月分以上をまとめて前納すると、保険料が割引になる可能性が。
また1年以上のまとまった保険料の払込には、金融機関の払込票を利用することも可能です。
ただしもし途中で払込方法を変更すると、保険料額が払込方法に応じて保険料が変わる可能性もあります。
場合によっては高くなってしまうことも考えられますので、変更する際は保険担当者に相談してみましょう。
留意しておきたいこと
かんぽ生命の学資保険に加入する際に、留意しておきたいことが2つあります。
契約者配当金は必ずもらえるとは限らない
かんぽ生命の学資保険は配当金がついています。
決算で会社の利回りが良かった場合、利益の一部を会社の方法で契約ごとに割り当ててくれるのです。
しかし配当金は収益等の状況によって変動するため、必ずしももらえるとは限りません。
どちらかというと配当金はもらえたらラッキーくらいにとらえておいた方が賢明でしょう。
途中解約は損
もし何らかの理由で契約を解除することにした場合、払込した保険料に応じて解約返戻金が支払われます。
ところが払込保険料の合計金額がそのまま返戻されるのではありません。
私たちが支払う保険料には、貯蓄の他に保険会社が保険運用するための諸経費等も含まれています。
諸経費分は当然戻ってきませんので、ほとんどの場合は払込んだ保険料の合計額よりも解約返戻金は少なくなります。
特に保険に加入して短期間のうちに解約すると、解約返戻金は全く戻ってこないか、あったとしてもごくわずか。
それではせっかくのお金が無駄になってしまいますので、よほどの理由がない限りは解約しないようにしましょう。
理由の中でも『保険料が高くて払い続けていけない』は本当にもったいないことですので、契約の際には生活に負担がかからない範囲で無理なく続けられる保険料を設定するように心がけましょう。
また、出生前に保険に加入していて、悲しいことに万が一子供が流産や死産になってしまった場合は契約は無効になります。
そして先に払込していた保険料は返戻されます。
まとめ
未来は先読みできない分、子供の将来を予測して保険のプランを考えるのは正直難しいですよね。
しかしこどもがどんな道筋を辿っても大丈夫なように備えておくのも親の務めです。
かんぽ生命の学資保険を選ぶ際は、以下の6つをポイントにして考えてみましょう。
- 最終的に学資金はいくらほしいか?
- 学資金をいつから受け取りたいか?
- 学資金はいつまで必要か?
- こどもの年齢は何歳か?
- 契約者(あなた)は何歳か?
- 月々いくらなら負担なく払っていけるか?
繰り返しになりますが、保険は契約開始するととても長いお付き合いになります。
契約時に設定した保険料や契約内容は後々に影響してきますので、妥協せずじっくりプランを設計してくださいね。

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