親子でチェック!大学卒業までの総額はいくら?費用の内訳と10パターンの進路別シミュレーション

子供が”大学へ行きたい”と切り出したとき、お菓子を買うテンションでOKを出せる親はなかなかいません。

一方で『大学を出ている方が就職にも有利なのでは?』と子供の将来を案じ、親から積極的に大学への進学を勧めることもあるでしょう。

この2つの心持は真反対ですが、共通している気持ちもあります。

それは『大学卒業するまでにいくらかかる?』という不安。

大学は費用が高いとよく耳にします。

子供を出産してから22歳まででかかる養育費はおよそ2,000万円といわれているのはご存知の方も多いと思いますが、そのうち教育資金は約1,000万円以上を占めており、教育資金の中でも大半が大学費用なんです。

さらに大学在学中は学費だけでなく、プライベート面の費用もまだまだ親のサポートなしではやっていけません。

つまり親の負担は高校卒業以降軽くどころかむしろ重くなります。

こどもの手前「お金のことなんてあなた(こども)は心配しなくていい」と言っても内心はバクバク。

この日のために子供が小さなうちから少しずつ貯蓄をしていたとしても、いざ現実が近くなると準備してきた資金で足りるのか心配になりますね。

子供側も、甘え切って思い付きやなんとなくで大学を決めたらとんでもないこと!

親の優しさをどぶに捨てるようなことはしたくないですね。

かくいう筆者も、相当な大学費をかけて進学させてもらった(というのを後から知った)ので、きっと親に同じ経験をさせていたと思うと本当に頭が下がります。

では実際のところ、無事に大学を入卒業するまでにはいくらかかるのでしょうか?

今回は『大学進学(昼間部)を決めてから卒業までの費用』について解説します。

子供の大学進学をサポートする保護者の方はもちろん、受験生の皆さんもご参考にしてみてください。

大学入学までにかかる費用

大学の費用って、大学入学してからが本番だと思われませんか?

しかし本当は「大学進学を目指し始めたとき」からすでに始まっています。

まずは大学入学前までの費用をみてみましょう。

受験費用

くじで大金を当てるには宝くじ券を手に入れなければ始まらないように、大学に入るには、まず入試試験を受けなければなりません。

そのためには受験費用が必要になります。

受験をするにあたって必要となる費用は次の2つ。

検定料と交通費・宿泊費です。

それではそれぞれどれくらいの費用がかかるのか見ていきましょう。

検定料

2020年度(2021年1月)以降は従来の大学センター入試が廃止され、新たに”大学入学共通テスト”という方式が導入されますが、今回の記事では従来の大学センター試験での流れで説明します。

さて、そのセンター試験と私立大学の検定料のは以下の通りです。

センター試験
(~2020年1月)
2次試験 一般入試
2教科 3教科以上
国公立大学 12,000円 18,000円 17,000~30,000円 ×
私立大学 × 30,000~35,000円
医学部は50,000~60,000円

センター試験は受験教科数によって金額が違います。

国公立大学はセンター試験と2次試験の点数の合算で合否が決定します。

もちろん検定料の他に願書の費用なども必要ですので、国公立大学入試前期日程では3万円はかかります。

中期以降の入試はセンター試験料はかかりませんので、2次試験分の金額のみで受けることが可能です。

次に私立大学では1大学で用意している試験日程が多いのが特徴。

1学部でも数日程ある上に、センター利用入試も用意している私立大学もありますので、本命の大学へ入るチャンスも広がりますね。

しかし検定料はその分かかりますので、やみくもに受けると大変な費用に!

大学受験で数十万円もかけてしまっては大学入学資金が払えなくなりかねませんので、進路と試験日程の選択は慎重に行いましょう。

交通費・宿泊費

大学が自宅から離れている場合は試験会場までの交通費が必要です。

日帰りが難しい時は宿代も要るでしょう。

距離や試験回数にもよりますが、5万円~10万円は予算に含めておいてください。

大学入学準備費

大学への進学が決まると一安心したいところですが、保護者のサポートの負担は一気に増えます。

大学入学以降次の4つがのしかかってきますので、しっかり把握しておきましょう。

大学入学納付金

その名の通り大学へ納付するお金です。

大学へ合格すると、まず入学手続きのために入学納付金を支払います。

本命大学の受験の万が一に備え、滑り止めの大学にも納金するでしょう。

大学の納付金額については後述しますが、入学納付金には

  • 入学金
  • 初年度学費前期分
  • 施設設備費(実習費なども含む)

が必要です。

このうち、入学納付金を支払っても入学しなかった大学については基本的に入学金は返金されません。

私立大学の入学金はそれだけでも高額ですし、数十万円は返ってこないものと覚悟しておきましょう。

ちなみに日本政策金融公庫が、先程の受験費用と併せて大学入学前までに大学に納めた金額について、進学大学ごとに統計を取ってみると次のようになりました。

学校納付金が多いのはせておき、各大学全体の1割以上が”入学しなかった大学への納付金”ですね。

このグラフからも、やはり10万円はなくなると覚悟しておいた方がよさそうです。

教材・学用品の購入費

実は大学準備費用には、意外と目で見えにくい出費があるんです。

その1つが教材購入費。

学校納付金には授業で必要な教科書や教材費は含まれていませんので、別途お金が必要です。

インターネットが普及している現代では、パソコンがないと受講や課題が提出できないこともあり、パソコンの購入が必須となる場合も。

少なく見積もって20万円はかかると思っておいても良いでしょう。

お祝い関係

今までもあったように、大学でも入学式が行われます。

多くはスーツで出席することが多いので、スーツの新調代が必要ですね。

また、お祝いで親戚等から入学祝いをいただくかもしませんので、お祝い返しを用意します。

こうした費用で5万円以上は見積もっておくと安心です。

自宅外通学を始めるために必要な費用

大学が遠距離にありとても家からでは大学に通えない場合は、家を出て生活することになりますね。

親戚や知り合いの家に下宿したり学生寮に入るなど手段は様々ありますが、ここでは一人暮らしにフォーカスし、かかる費用を一緒に考えてみましょう。

賃貸契約初期費用

一人暮らしを始めるにあたり、借りる部屋の契約には以下のような費用が必要になります。

  • 部屋を探すための交通費(遠方の場合は宿泊費も)
  • 敷金・礼金
  • 仲介手数料
  • 1か月分の家賃

1ヶ月の家賃は地域によって異なりますが、その費用は一人暮らしの初期費用に大きく影響します。

なぜならば敷金・礼金は家賃の1ヶ月分ずつというところが多いため。

仲介手数料も同じく家賃1か月分かかったりします。

そうした場合、例えば6万円の家賃の家と4万円の家賃で家賃以外を同じ条件にしても8万円の差が出ますね。

特に2~3月の時期は多くの人が部屋探しをするので、家賃や初期費用を高めに設定する強気な大家さんが多いと聞きます。

そのため敷金礼金が2ヶ月分以上かかる可能性もあるので注意してください。

ちなみに2018年現在の全国平均家賃額は4.99万円、都道府県別のランキングベスト5は以下の通りです。

家賃
(1部屋あたり)
最高値 最安値 全国平均
1位 東京都 6.76万円 徳島県 3.70万円 4.99万円
2位 神奈川県 5.76万円 愛媛県 3.71万円
3位 大阪府 5.32万円 山口県 3.80万円
4位 千葉県 5.22万円 鳥取県 3.84万円
5位 埼玉県 5.20万円 富山県

できるだけ早めに決めたいところですが、家賃はその後の生活費にも影響していきますので、『部屋が埋まってしまうから』と焦らずにじっくり検討しましょう。

引っ越し費用

自宅から新居への荷物を運ぶ際、引っ越し費用が必要ですね。

こちらも3万円~15万円と、距離や荷物の量によってさまざま。

どうしても引っ越し先が県外になると費用も高くなってしまいますが、荷物が少なく距離もあまり離れていなければ単身パックも利用でき、費用は2万円前後で済ませられることもあります。

引っ越し業者も、部屋探し同様に3月までは大変込み合うため、部屋が決まった時点で早めに手配しましょう。

生活用品費

一人暮らしをするためには、それなりの生活用品が必要になります。

自宅から持ってこられるものもいくつかありますが、冷蔵庫や洗濯機、カーテンなど、新しく買い揃えるものが大半です。

そうした生活用品の購入費には平均して30万円くらいはかかると考えておきましょう。

それでは、これら自宅外通学を始めるにあたりかかる費用をまとめると、全国平均ではこのようになります。

(出典⇒日本政策金融公庫 教育費負担の実態調査結果)

平均金額が思っていた以上に低いこと、25万円未満で済んだ人が33%もいるとは驚きです。

一方で100万円以上かかった人も6%いますので、一人暮らしの初期費用は住む距離と生活用品をどこまで揃えるかによって変わってくるようです。

大学在学中にかかる費用

いよいよ大学生活の始まりです。

しかしこの数年間は親にとってまさに火の車時代!

どんどん減っていく通帳を眺めてはハラハラが止まりません。

具体的に見てみましょう。

学費

恐怖の大本命、学費。

先程の入学金も含めて大学在学中に学費がいくらかかるかを見てみましょう。

以下に代表的な進学先を表にしてみます。

国公立大学 公立大学
初年度 入学金 28万円 39万円
授業料 54万円 54万円
合計 82万円 93万円
次年度以降 54万円 54万円
在学期間 4年間 4年間
在学期間合計 244万円 255万円
私立文科系大学 私立理科系大学 私立医歯系大学
初年度 入学金 23万円 26万円 101万円
授業料 76万円 107万円 290万円
施設設備費 16万円 19万円 88万円
合計 115万円 152万円 479万円
次年度以降 76万円 107万円 290万円
在学期間 4年間 4年間 6年間
在学期間合計 343万円 473万円 1929万円

国公立大学と私立大学の差は歴然ですね。

中でも、私立医歯系大学は在学期間が長いといえど国公立大学費用の約8倍!

そもそも私立医歯系大学の1年間の授業料の時点ですでに国公立の在学期間合計を上回っています。

筆者も幼いころ医者という職業に憧れたことがありましたが、学力もさることながら「医学部行きたい」だなんて軽んじて口を滑らせられるレベルじゃありませんでした…。

生活費

学費と並行して費用が必要になってくるのが生活費ですね。

食費や交通費をはじめ、一人暮らしをしている学生は家賃、光熱費がかかります。

そして今や持っている方が当たり前になったスマホなどの通信費も月々必要です。

政府の調べによると、自宅通学者の生活費平均が166.7万円、一人暮らしの学生では220.1万円だそう。

月々約4.5万円の差ですので、大体家賃分の差とみて良いでしょう。

また、同じ自宅通いの学生、一人暮らしの学生でも進学先で差があるようです。(後ほど表であらわします)

そして大学生になるとアルバイトを始める人も多いですが、生活費を全て賄えるほどの金額を稼げる人はあまりいません。

本業である学業をおろそかにしてしまっては本末転倒ですし、この時期でもやはり親の援助がまだまだ必要になります。

私立大学に通う学生の仕送り額は、2017年で約10万円。

数字では多く見えますがここには家賃分も含みますので、差し引くと5万円くらいがその他に使えるお金になりますね。

しかし一人暮らしの場合は上記に挙げたように光熱費等も別途かかりますので、それらも仕送りから出すと手元にはほんのわずかな金額しか残りません。

この計算でいくと、アルバイトをしていない学生の1日あたりの生活費は1,000円未満。

生活できない金額ではありませんが、サークル活動費や教材費なども考えるとやや少なめともいえます。

といっても、学費プラス仕送り代となると国立大学に進学をした場合でも最低15万円以上は毎月かかりますので、4年間続くと相当な金額が親の負担となることは間違いないでしょう。

一方自宅通学者は家賃等の支出がない分、一人暮らしの学生より良心的な金額になります。

大きく金額がかかるといえば食費とくらいでしょうが、今までの食べ盛り時期からすれば差ほどの変化ではないですね。

ただし大学が自宅からギリギリ通える範囲の場所では、大学までの交通費が高額になることがありますので注意してください。

このように、学費だけでなく生活形態によってもお金の負担が違ってくることがよくわかります。

成人式

こうした年齢でのお祝いは小学生の七五三以来でしょうか。

成人式は、二十歳を境に子供をいよいよ大人として認め迎える大事な儀式。

子供にとってはもちろん、親にとっても、これまでの苦労が報われるとても感慨深い節目でもあるでしょう。

服装は自由ですが、振袖やスーツ、袴で式典に臨む人が多いです。

お祝いですから惜しみなくしてあげたいところですが、着物となるとかなり金額がかかります。

特に女性は着付け代、メイク代、前撮り写真代など費用がかかるものがたくさん。

最近は振袖レンタル代と写真のセットパックなどもありますが、最低金額が10万円といわれていますので多めに準備しておく方が安心です。

その他お祝いをいただいた場合のお返しのことも考えてお金の用意をしておきましょう。

進学先ごとのシミュレーション

ここまで、大学入学前と在学中の金額について説明しました。

それでは、大学受験から大学卒業までのトータル金額がいくらかかるのか、これまでの項目と金額をベースに以下の10パターンでシミュレーションしてみます。

国公立大学に通う学生と私立大学の学生の合計金額に相当の差があらわれる結果となりました。

特に私立医歯系大学は学費が高いうえに在学期間が6年と長く、それが家賃や生活費等に影響しています。

一方で一人暮らしの国立大学と自宅通いの私立文科系大学の合計ではあまり差がみられません。

つまり国立大学で一人暮らしする金額があれば、自宅から私立文科系大学へ通うこともできると言い換えられます。

また、年間合計でみる私立医歯系大学ですが、月々にすると、私立医歯系大学の自宅通学者と私立理科系大学の一人暮らしの金額の差はわずか数万円。

といっても数万円でも大きな金額ですが、生活費等で節制をすれば手が届かない金額ではなさそうです。

どちらにせよ、一人暮らしはやはり相当お金がかかるということですね。

一人暮らしの家賃は仕送りから工面することが多いため、家賃分は引いて合計金額を出しています。

しかし先に述べたように家賃にも地域差がありますので、大学数の多い東京都の中心区に住めば、当然家賃も仕送り金額も値上がりします。

また成人式の金額は今回は10万円で計算しましたが、男女も含め個人差がありますので、特に女性の場合はもっとかかると想定しておきましょう。

このように、合計金額でだした金額には、まだまだ上乗せする要素が含まれています。

もちろん節約して合計金額よりもずっと抑えられる可能性もありますが、どこで何に費用がかかるか分かりません。

どちらかというと今回の合計金額が最低ラインと見積もっておいた方がよいでしょう。

短大進学では総額いくらかかる?

今回は大学進学をメインに解説しましたが、最近は短大や専門学校へ進学する人も多いですね。

たとえば短大への進学を希望した場合は以下のような金額が想定できます。

短期間で専門的な知識や経験を会得できるだけでなく、大学と比較すると金額がかなりリーズナブルになるのも短大の魅力の1つでしょう。

ただし、短大は期間が平均2年間。

在学期間合計ではそこまでではないものの、月額にすると私立大学の平均月額を上回ることもあるようです。

一人暮らしで私立の短大に通う場合はあまり安い金額とは言えませんので、じっくり検討してみてください。

まとめ

大学への進学は本当にお金がかかります。

今受験生を抱えている家庭には頭の痛い話ですが、必ず直面する問題です。

もちろん奨学金制度などを利用する手段もありますが、自分たちでもできるだけ多くの貯蓄をしておくようにしましょう。

そして親心としてはできるだけお金のことを子供に心配させたくない気持ちもあると思いますが、きちんと伝えてあげることも親心の1つではないでしょうか。

そのうえでぜひ一緒に進路を考えて、話し合ってみてください。

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